アパート暮らしをしていると、保管場所に困るものがいくつか出てくるかと思います。灯油もその一つで、扱いが難しくどこに置いたらいいか分からないという人も多いのではないでしょうか。
間違った保管方法をとっていると、最悪の場合火災の原因になります。アパートの管理会社によっては、灯油を使う石油ストーブの使用を禁止している所もあるほどです。
会社に問い合わせて、仮に使っても大丈夫だという回答を貰った場合でも、正しく灯油の管理をしなければ様々な不都合が出てきます。ではどこにどうやって保管しておけばいいのでしょうか。
今回は、灯油の保管方法を注意点や対策とともに紹介していきます。今の灯油置き場にいまいちしっくり来ていないという人は、ぜひ参考にしてください。
アパートで灯油を保管する前に覚えておきたい事
灯油を保管する上でまず知っておきたい基礎知識をまとめました。どこに保管するにしても、以下の点は最低限覚えておきましょう。
・灯油の引火点は約40℃
灯油は40℃を超えると、きっかけがあれば燃焼を始めます。灯油の発火はよくある火災の原因としても有名であり、そのような条件になる場所に灯油を保管することは危険ですので絶対にやめましょう。
・水と油は混ざらない
外気などの水分は灯油の中に混入しても混ざらずに、保管している容器の中で水と油に分かれます。すると使っている中で暖房器具に水を入れてしまうタイミングができてしまい、故障の原因になるのです。
よって多湿な所、雨の当たるところは灯油の保管場所として適切ではありません。
・温度が高くなると膨張する
灯油は温度が高くなると膨張するという性質を持っています。そのため容器ぎりぎりまで灯油を入れて保管していると、蓋を開けた時に膨張した分があふれ出る事があるのです。
こぼれた灯油の処理は非常に面倒なので、保管の際はある程度余裕を持った方がいいでしょう。
これらを踏まえた上で、まずは灯油を保管すべきでない場所について解説していきます。
アパートで灯油の保管に適さない場所
以下の場所は灯油の保管場所としてはあまりお勧めできません。
・ベランダ
ベランダは直射日光にさらされ、夏場は高温になる事から灯油火災を引き起こす可能性がとても高いです。加えて雨風にもさらされ、灯油内に水分が混入してしまえば暖房器具の故障にもつながります。
よってベランダは灯油の保管場所として最も危険と言えます。どうしてもベランダで保管するのであれば、専用のケースなどを用意して万全の備えを徹底してください。
・玄関先
玄関先での保管は、灯油の臭いが非常に厄介です。人を招き入れるのにも躊躇してしまう他、靴などに灯油のにおいが染みついてしまう可能性もあります。玄関先での保管は不都合が多くなるので避けるべきです。
アパートをはじめ、賃貸住宅は空間が限られるので灯油の置き場所に悩む事も多いでしょう。ではどこに保管すればいいのでしょうか。
アパート暮らしでの灯油の保管場所
可能であれば、以下の条件を満たす場所への保管が望ましいです。
・室内の冷暗所
直射日光の当たる場所や、高温になる場所は前述の通り火災の危険性があります。保管の際は夏場の気温を想定し、なるべく日光に当たらない場所に保管したほうが良いです。
・換気ができる場所
灯油の臭いはこもるとかなり強烈なものになり、多少の消臭剤では効果がありません。嗅ぎ続けると気分が悪くなる人もいるので、いざという時には換気が出来る場所に保管したほうが良いでしょう。
優先度は高くならない場所の方が高いので、最低限冷暗所での保管を行い可能であれば換気の条件も満たす場所が好ましいです。では続いて、実際の保管方法について見ていきましょう。
アパートでの灯油保管の方法
なんとなく置いておけばいいものではないので、保管の際は以下の点に気を付けてください。
・専用のポリタンクに入れ、満タンにはしない
灯油の保管は必ず専用のポリタンクを使います。他のものでは漏れたり揮発する可能性があり危険なので、保管場所に応じたサイズのポリタンクを使うと良いでしょう。
また、前述の通り満タンに入れると膨張してこぼれる可能性があります。灯油は保管期限もあるので、余裕のある保管量に留めておきましょう。
・吸引機は専用のケースに片づけ、蓋をきっちりする
灯油を吸い出す吸引機、ついそのままにしているという人も多いかもしれませんが、使い終わったら都度専用のケースに片づけておきましょう。そうすることで湿気などの水分が灯油内に混入することを防げます。
ケースはポリタンクなどと一緒に売っている場合が多いので、忘れず購入しておくと良いです。下手に別のもので代用すると灯油をこぼす原因にもなります。
ここまで意識して実行できていれば、灯油の保管は問題ないでしょう。最後に、灯油を保管するうえでのちょっとした不便への対策を紹介していきます。
アパートで灯油を保管する際の注意点と対策
保管条件や方法は完璧でも、これらの問題は灯油を使う上で避けて通れません。対策を紹介するので、対処する際の参考にしてください。
・使用する過程でこぼしてしまう
吸引機の出し入れなどの際にはどうしても数滴こぼれてしまうのは避けられません。簡単な対策としては下一面に新聞などを敷き、こぼれてもいいような状態にしてしまう事が挙げられます。
若しくは、こぼれてもすぐに洗い流せる浴室などで給油を行うという方法がお勧めです。多少手間はかかりますが、確実に面倒事にはならないので一考してみるといいでしょう。
・灯油がついて臭いがする
灯油が衣類や肌についてしまう経験をした人は多いはずです。そのままにしておくと継続して臭いが残ってしまうため、早急に対処したほうが良いでしょう。
肌に付着したのであれば、手洗いの前にサラダ油を薄く手になじませることで臭いを落とすことができます。衣類であれば陰干しして灯油を揮発させることで臭いを落とすことができるので参考にしてみてください。
まとめ
灯油は臭いや可燃性が厄介で、適切な保管方法を取らないと危険が伴います。アパートでは保管場所に限りがありますが、最低限温度の上がらない冷暗所に保管するようにしてください。
保管の際は専用のポリタンクに入れ、膨張に備えて余裕をもった分量にしておきましょう。万が一肌や衣類に付着した場合でも、紹介した処置をほどこせば臭いを落とすことができます。
灯油は扱いが面倒ですが、冬場などにはなくてはならないものでもあります。今回紹介した保管方法を徹底すれば、灯油が原因の事故は限りなく減らすことが出来るでしょう。
今まで適当に保管していたという人は、取り返しがつかなくなる前に今一度保管方法を見直してみてください。