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戦争では貰えない?生命保険の支払いの仕組み!

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戦争に巻き込まれたとき、生命保険がどう支払われるかご存知ですか?実は一般的な死亡原因とは条件や事例も異なり、それによって支払われる金額にも大きな差が出てくるのです。

今までの死亡原因と言えば事故や病気であり、これらの場合は問題なく生命保険を受け取る事ができます。しかし、戦争をはじめとする特別な事情で亡くなった場合は一筋縄ではいかない事も多いのです。

感覚としては事故と似たような気もしますが、実際には大きな隔たりがあります。その理由には、保険の契約内容が密接にかかわってきているのです。

今回は戦争に巻き込まれた際の生命保険の支払いについて、保険の契約の仕組みを交えながら解説していきます。戦争とは無縁の日本でもこの先どうなるか分からないので、一度は目を通してみてください。

 

戦争で亡くなった場合、生命保険はもらえない?

結論から言うと、戦争に巻き込まれて亡くなった場合、保険金を受け取る事ができません。より正確に言うならば、保険会社に保険金支払いの義務が生じない、という事になります。

万が一のための保険なのに、大事な時に支払われないのでは意味がないと思う人もいるでしょう。戦争に巻き込まれれば人も物も大きな損害を受けるというのに、何の保証もされないのではたまったものではありません。

ですがそれには、生命保険に定められた約款が大きく関係しているのです。

 

戦争では生命保険が支払われない訳

保険における約款とは、保障内容や契約の詳細が事細かに決められ、記載されているものになります。そしてそこには、保険金を支払わなくてもいい場面についての記述もあります。

保険金の支払い義務が生じない場面を免責事由といい、その理由の一つが戦争による場合です。因みにこれは程度による部分もあるので、戦争に巻き込まれたときの状況によっては保険金を貰える場合もあるのです。

例えば東京の都心に核ミサイルが直撃した場合、死者数は数え切れない程になり、生命保険はまず支払われません。全員に支払うだけのお金がありませんし、そもそも確実な死亡確認も難しいといえるからです。

対して、飛んできたミサイルを迎撃した際の破片に運悪く巻き込まれた、という場合では確定ではありませんが保険金が支払われる可能性があります。状況が鮮明であり、犠牲者の数も少ないからです。

戦争に巻き込まれた場合、死者、負傷者は膨大なうえ数える事もままならず、一人一人に何千万、何億というお金を支払う事も困難です。ですから生命保険では、戦争での死亡を免責事由としているのです。

では、戦争以外でも大勢が亡くなる懸念のあるものでは保険金がもらえない場合があるのでしょうか。

 

戦争以外で生命保険がもらえない場合

多くの保険会社の約款に記載されている免責事由は、戦争、革命、内乱、外国の武力行使、武装反乱などです。これらに巻き込まれた場合には、保険金が支払われない可能性が高いのです。

例えば海外の武力行使とは犯行声明のあったテロ等が該当します。また、アフリカ等の内乱が起きている地域に赴いて反乱に巻き込まれた場合も、これらの免責事由に該当することとなります。

また、生命保険だけでなく、火災保険や自動車保険にも同様の約款があります。ですからテロリストの攻撃で家や車が吹き飛んだとしても、それも保険の対象外になってしまうのです。

実質的に、武力行為全般には保険が対応できないと考えていいでしょう。では、これらの場合でも保険金が貰えるような保険はないのでしょうか。

 

戦争でも支払われる生命保険はないの?

残念ながら、現時点で戦争やテロに巻き込まれた際でも十全に保険金を支払ってくれる保険は存在しません。なぜなら、保険を問わず、武力行使を免責事由とする約款が存在しているからです。

生命保険は勿論、海外旅行保険や地震保険、損害保険から火災保険に至るまで、全ての保険の約款には、戦争や武力行使を免責事由とする旨の記述があるのです。

ですから戦争で亡くなった場合は勿論、ミサイルによって起きた津波で車が流されても爆弾で家が燃やされても全て保険の対象外です。当然海外でテロ活動に巻き込まれた場合も全く保障はされなくなります。

これだけ聞くと全く保険が役に立たないように感じる人もいるかもしれませんが、元々保険とは日常生活で想定される危険に対しての備えです。そのため非常時に対応できないのは仕方のないこととも言えます。

 

戦争で亡くなったら生命保険はあきらめるしかない?

じゃあ戦争に巻き込まれたときには一切の支払いがないのかと言われると、そうでもありません。一応保険金が貰える可能性もわずかながら存在します。

例えば前述の免責事由は保険金を支払う責任を負わないという意味ですが、それは責任がないだけで、請求があれば支払う事自体は出来るという事でもあります。

実例として、過去何度かの日本での震災の際は、本来免責事由になる保険会社でも、ほとんどの会社が保険金を支払ったという事がありました。会社の対応次第では、お金をもらう事も不可能ではないのです。

ですがあくまで相手の会社の意向に左右される部分があり、こちらからではどうすることもできません。ですからもらえたら御の字程度に考え、あまり当てにしすぎるのはやめたほうがいいと言えます。

 

まとめ

戦争をはじめ、武力行使に巻き込まれた場合は生命保険を貰うことができません。これは保険の約款で決められたことであり、この他の保険でも例外なく保障の対象外となります。

一応被害の程度によっては全額、あるいは一部の保険金を受け取る事ができる場合もあります。しかしあくまで保険会社の意向次第なので、こちらの行動で保険金を貰えるようになるわけではありません。

理不尽かもしれませんが、戦争に対しての保険は本来の保険のあり方から外れるので、この約款も仕方ありません。私たちに出来るのはテロのある国に近づかない事と、日本が戦争に巻き込まれないよう祈る事位です。

ですから、戦争は対象外だからと保険を解約するのは得策とは言えません。戦争と保険は分けて考えたほうが賢明です。

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