家にある生花が入った花瓶の水の交換、交換のタイミングや水の量をキチンと考えて行った事はありますか?恐らく多くの人はなんとなくで水を交換している人が多いと思います。
勿論多少タイミングが違ったからといって花がすぐに枯れる事はありません。ですが、目に見える違いが無くても長期的に見ると花が枯れるまでのはやさに大きくかかわってくることになるのです。
今回は、普段は意識しない花瓶の水やりについて、交換の時期や量、花に優しい水等を紹介します。普段なんとなくで水を交換している人は、ぜひ一度目を通してもらうと花の寿命が延びるかもしれません。
花瓶の水を交換する意味
そもそも水が残っているのに中の水を交換するのには以下の理由があります。
雑菌の繁殖を抑制
花は有機物なので、水が浸かっている切り口の部分から常に何かしらの成分を分泌しています。それが水と混ざる事で様々な雑菌が発生する原因となるのです。雑菌は茎を腐らせ花の寿命を縮めてしまいます。
雑菌が繁殖しないうちに水を交換する必要性があるのです。
花瓶につく水垢の防止
水の流れがないところでは少しづつ花瓶に水垢がたまり、これも雑菌が繁殖する原因です。花瓶の状態を維持するには水の交換が必要であるといえます。
このように入れっぱなしの水はどんどん汚れていき、花にも花瓶にも悪影響を与えます。そのためまだ水が残っていてもこまめな交換が大切になるのです。では、水の交換の際は何を意識すればいいのでしょうか。
花瓶の水はどれくらい入れればいい?
花瓶に入れる水は、実は少ないほどいいのです。交換が面倒だからと沢山入れる人がいますが、あれは花の寿命を縮めてしまうので次からは控えるべきです。
理由は、水に浸かっている部分は他より早く腐るからです。茎がなみなみ注がれた水に浸されていると茎全体が腐りやすくなり、結果として花の寿命を縮めてしまいます。
極論を言えば水と接する部分は底の切り口のみで、それ以外の部分は極力水につからないようにした方がいいのです。特に茎が柔らかい花は、水に浸けるとすぐに腐ってしまうので気を付けてください。
続いて、交換のタイミングについて解説します。
花瓶の水はどのくらいで交換すればいい?
可能であれば、水の交換は毎日行っいましょう。最低でも二日に一回は徹底してください。前述のように放置された水には雑菌がたまり、切花を腐らせたり枯らしたりする原因になります。
水だけでなく茎と花瓶にも注目してください。茎はヌメリがつきやすいので交換の度に落とし、花瓶も水垢がたまっているので中性洗剤を使った汚れ落としが効果的です。
ちなみに延命剤などを利用する場合は防腐剤を兼ねている場合もあるので、ここまで頻繁に交換する必要はありません。減った分だけ足すような使い方で大丈夫です。
花瓶の水に適した水は?
魚を飼うのに水道水を使わないのと同じで、植物も水道水以外の方が、花が長持ちすると考える人もいるでしょう。ですが、実は花の水に関しては水道水の方が効果的なのです。
ご存知の通り、水道水には雑菌等の繁殖を抑制する塩素が含まれます。これは花に対しても有効で、雑菌が増えるのを抑制してくれるため都合がいいのです。
逆に体にいいとされる市販の天然水などは防腐要因がないため、却って雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。よって花瓶の水には水道水を使った方が結果として花も長持ちするのです。
最後にこれらを総合して、切花を寿命を延ばす方法を解説します。
切り花を長持ちさせる花瓶の水の替え方
家に飾ってある切花をより長持ちさせる方法としては、水替えの際に以下の点を意識してください。
花瓶の水は少なめに
水はたくさん入れても花に負担がかかるので、茎の切り口が少しつかるぐらいに留めておいた方がいいです。茎以外に水に浸かる葉っぱなどがあれば、腐敗を防ぐために切り取っておいた方が賢明です。
水揚げをする
水揚げとは、花に水を改めて吸わせることで、そのためには切り口を切りそろえる事が必要です。水に浸かっている切り口は少しづつ傷んだり腐ったりしてくるので、どんどん水を吸い上げる事ができなくなるのです。
水揚げの際は「切れ味のいい鋏」で「斜めに」切る事が大切です。切り口が潰れるのを防ぎ、斜めに切る事で水を吸う面積が増えるからです。
水を交換する際は花瓶と花も一緒に洗う
水だけ交換しても、他に汚れが残っていては意味がありません。花の茎はヌメリをおとし、花瓶の水垢は綺麗に洗い流してください。雑菌が繁殖しにくい環境づくりが大切です。
まとめ
花瓶の水は、例え水が残っていたとしても適度なタイミングで交換しなければなりません。これを怠ると雑菌や水垢がはっせいしやすくなり、花の寿命を縮めます。
交換の際は、以下の3点を意識しましょう。
①水に浸かる部分は極力少なくする
②水は最低でも二日に一回は交換する
③水は水道水を使用する
花の元気がなくなってきたと思ったら、水を吸う切り口を切りそろえて水を吸い上げやすくしましょう。花瓶の水垢や茎のぬめりを取る事も、花の寿命を延ばす秘訣です。
買ってきた花をすぐに枯らしてしまう人は、今回紹介した方法を参考に水やりの意識を変えてみましょう。今まで無頓着でやってきたのであれば、今度からはぐんと長生きしてくれるでしょう。