江戸時代にも氷が使われていたのかと気になりますが、冷蔵庫のない時代でも上手く活用されていたようです。
歴史を知ることで、いつも使っている氷も少し違うものと感じたり、違った角度から見られるようになったりするかもしれません。
ここでは、この時代の氷の保存方法、作り方などについて紹介します。
江戸時代の氷についての疑問もすぐに解消できるでしょう。
江戸時代はどうやって氷を保管していたの?
冷蔵庫のない江戸時代では、どのように氷を保管するのかと疑問を感じてしまいますが、この時代に使われていたのが氷室です。
氷室とは、冬場に作った氷を夏まで蓄えておくための穴や部屋のことです。
氷室は、地下水の気化熱によって外気温よりも低く、日中でも日の当たらない山などでは、暑い夏でも氷を保存することができたようです。
この時代では、氷室という自然の冷蔵庫を活用して、夏でも氷を楽しんでいました。
江戸時代の氷の作り方
江戸時代の氷の作り方は、人工的に作った大きな穴の中に、富士山の雪解け水などをためて作っていたようです。
雪や雨などを毎日掃除しながら純度の高い氷を作り、時期になれば出来上がった氷をノコギリで適度な大きさに切って運び、氷室で保存しながら活用していました。
江戸時代の氷は貴重品!
今なら、どの家庭でも氷を作ることができますし、コンビニに行けば純度の高い氷も手に入れることができます。
しかし、この時代の氷はとても貴重で、身分の高い人しか手に入れることはできなかったようです。
江戸幕府に献上品として日本海地方から運ばれました。その始まりは加賀藩主の前田利常からとされています。
庶民でも氷を手に入れられるようになったのは明治時代中頃です。この時代になると機械による製氷が可能となりました。
また、明治になると、江戸時代の蝦夷地松前藩領地である函館の自然で作られた函館氷が庶民にも届けられ、庶民でも手に入りやすくなったとも言われています。
明治から戦前までは、町に街に氷売りをしている氷屋があり、そこから氷を購入したり配達してもらったりしていました。
江戸時代に使われていた氷室は今でも活用できるの?
穴を深く掘れば、その中は気温も安定して涼しいのはよくわかりますが、本当に氷室で氷が保存できるのか、今でも氷室は活用できるのかと疑問を感じる人もいるのではないでしょうか。
現代では地球温暖化によって最高気温が上昇し、日本でも40℃を超える日もあります。この時代と現代とでは環境が違うため、氷室での保存は難しいかもしれません。
また、この時代は、地球全体がミニ氷河期だったと言われています。特に中期頃はとても寒かったそうで、冬になると隅田川が凍ったという記録が残っているほどです。
現代とでは地球の環境も大きく異なり、この時代の環境だったからこそ氷室も活用できたのかもしれません。
江戸時代にもかき氷があった!
氷の活用方法として、かき氷を思い浮かべる人も多いことでしょう。
このかき氷を食べるようになったのは平安時代からとされ、江戸時代でもかき氷が食べられていたようです。
ただ、氷はとても貴重なものなので、かき氷も庶民は口にすることはなく、上流階級だけが食すことができたと言われています。
この時には小刀やカンナで氷を削り、スイと呼ばれる砂糖水をかけたかき氷が食べられていたようです。
まとめ
冷蔵庫がない時代でも、氷室で保存していました。この時代は、地球全体がミニ氷河期だったとも言われ、この地球環境によって自然の力で氷も保存しやすかったのかもしれません。
かき氷の歴史はとても古く、平安時代から食べられていたようで、江戸時代でも上流階級の人はかき氷を食べていたようです。
氷室があるといっても、暑い夏に氷を運ぶのはとても大変で、江戸に運ばれるまでにはほとんど溶けていたとも言われています。
現代では手軽に手に入る氷も、昔の大変さを知ることで、氷の味、見方が違った人もいるでしょう。
かき氷だけでなく、福島県の猪苗代湖で楽しめる「しぶき氷」や埼玉の三十槌の氷柱などの景色、グラスに氷とお酒を入れてオンザロックなど、様々な氷を楽しんでみてはいかがでしょうか。