夏になると、虫刺されによる手足の腫れも珍しくなくなります。そんな虫刺されには冷やすのがいいと昔から言われていますが、なぜ冷やした方がいいのでしょうか。
市販の虫刺されスプレー等も暖かいものはほとんどなく、どれも吹きかけるとひんやりと冷たい感触があります。それで実際に症状が軽くなっているのですから、理由はどうであれ冷やした方がいいのでしょう。
今回は、虫刺されを冷やした方がいい理由と、冷やし方を紹介していきます。今まで虫刺されの水ぶくれ等をなんとなく冷やしていた人も、理由を知ればより的確な処置ができるので、ぜひ目を通してください。
虫刺されの患部は冷やす?温める?
前述の通り、虫刺されにあった幹部は腫れやかゆみを抑えるために冷やすのが基本です。ですが、刺された直後に限りは、温める事でも患部に効果があるのです。
虫刺されの際、ぶよをはじめとした多くの虫は唾液腺物質という毒を吸血と同時に送り込んでくるのですが、これは熱に弱くある程度温める事で分解擦る事ができます。
刺された直後であれば、患部を温める事で症状を和らげることができるのです。ですが現実問題、ダニ刺されは勿論、虫に刺された直後に感知する事は難しく、大抵は腫れ上がってかゆみが出始めて初めて気づけます。
皮膚が腫れが出てからでは温める処置は逆効果になります。ですから実質的な虫刺されの対応としては冷やす、が正解であるといえるのです。
虫刺されに冷やすのが効果的な訳
ではなぜ冷やすことが効果的なのかですが、具体的には以下の理由が挙げられます。
アレルギー反応を抑える
虫に刺された箇所はアレルギー反応で熱を帯びてきますが、その熱を冷やしてアレルギーを抑える事で、虫刺されによる腫れやかゆみを抑える事ができるのです。
感覚を鈍らせる
冷やすことで血管が収縮し、感覚が鈍くなります。虫刺されの箇所は放っておくとかゆみが発生してついかいてしまいたくなりますが、かくと悪化する一方なのでそれを防止する役割もあります。
衛生面
冷やすことの代表的な方法が水を掛けることですが、これによって患部を洗い流すことで刺された箇所の衛生面を保つことができます。そのままにしておいて雑菌が入ると悪化の原因なので気を付けてください。
虫刺されを冷やす方法
続いて、具体的な患部の冷やし方について紹介します。その場にあるものによって冷やし方は異なると思いますので、実行可能な方法を選んでください。
流水で流す
方法としては一番確実かつ効果的なので、可能であればこの方法をとってください。患部を冷やすと同時に雑菌を洗い流す効果があるので、幹部が清潔に保たれます。
山で刺された場合は河川で冷やすのもいいですが、街中の川は雑菌が多い所も多いので控えましょう。
氷で冷やす
水よりも強く冷えるので感覚が鈍くなり、かゆみを感じにくいのがメリットです。消毒や雑菌を洗い流す効果はないので、可能であれば流水で流した後の処置として利用してください。
冷却スプレーを使う
虫刺されスプレー等も冷却効果があり、患部を冷やして症状を緩和してくれます。ただしあまり長時間スプレーし続けると冷えすぎて肌に悪影響を与えてしまうので気を付けてください。
虫刺されの際に効果的に冷やす道具
続いて、虫刺されを冷やすのに効果的な道具を紹介します。山など虫刺されの可能性がある場所にはぜひ持っていきましょう。
制汗スプレー
虫は汗によって来るので、汗を抑える制汗スプレーは大いに役立ちます。また、冷却効果もあるので、万が一刺されたときにも軽くであれば患部を冷却させる方法としての使用も検討できます。
氷水入り水筒
虫刺されの時に、流水と氷を同時に用意できるので便利です。キャンプなどの際は飲み水として持って行ってもいいですが、不測の事態に備えて少し多めに持っていくと虫刺されにも対応できるのでお勧めです。
軟膏
虫刺されの対策に軟膏を用意しておくと適切な初期対応が可能です。軟膏を選ぶ際はウナクールのように冷却効果を含んでいるものを選ぶと、かゆみを抑えられるので覚えておきましょう。
虫刺されは冷やすだけで大丈夫?
虫刺されは冷やすことで症状を抑える事ができますが、それはあくまで抑えているだけの対処療法にすぎません。軽度であればそれで収まる場合もありますが、環境や体質によっては悪化する可能性もあります。
可能であれば湿布や軟膏などを塗って様子を見て、それでも症状が納まらないようであればすぐ病院に行ってみてもらいましょう。たかが虫刺されと思っていると思いのほか重症になる事もあります。
ハチに刺された際のアナフィラキシーショックのように重症になる例も少なくありませんし、山の中では傷口から感染症になるリスクもあります。その後の治療を怠らないよう気を付けてください。
まとめ
虫刺されには、患部を冷やすのが効果的です。刺された直後であれば温める事で毒素を中和することもできますが、大抵は腫れてから初めて気づくのでそうなってからは冷やすことで症状を抑えられます。
患部を冷やす際は、可能であれば流水を使って冷やすと同時に雑菌を洗い流す事をお勧めします。流水を用意できなければ氷や冷却スプレーで代用しても構いません。
冷やした後は薬を塗って様子を見て、症状が良くならない場合には病院も視野に入れましょう。虫刺されから大事に至るケースも少なくないので、患部を注意深く観察してください。
とはいえ、大抵の虫刺されはきちんと冷やして薬を塗れば良くなっていることがほとんどです。逆に冷やさずにかゆみをそのままにすると、無意識でついかいてしまい悪化させることもあります。
虫刺されのかゆみは冷やすことで大きく緩和できるので、虫刺されを確認したらまずは冷やすことを徹底しましょう。それだけでもだいぶその後が楽になるはずです。