雇用保険と社会保険の違いは、労働者にとって知っておくべき情報です。一般的な会社は、従業員を雇う際に雇用保険や社会保険に加入させる義務があります。
雇用保険や労災保険などは、長く働いていく上で重要な問題です。
とはいっても、実際のところ雇用保険と社会保険にはどのような違いがあるのでしょうか。そこで、意外と知らない方が多い、雇用保険と社会保険の違いについて解説していきます。
雇用保険と社会保険の違い、保険内容
従業員を雇う際に掛けられる保険は4種類あり、2つに分けられます。雇用保険と労災保険のことを労働保険と言い、健康保険と厚生年金保険を社会保険と言います。
雇用保険とは失業時や休業時の補償であり、労災保険は労働災害時の補償が主な内容です。
一方、健康保険は医療負担、傷病、出産手当金の補償、厚生年金保険は年金の補償というように、それぞれ補償の内容に違いがあります。
雇用保険と社会保険の違い、加入条件
雇用保険と社会保険は、加入条件が異なります。雇用保険の加入条件としては、1週間の労働時間が20時間以上であることや、31日以上雇用される予定がある場合が当てはまります。
雇用保険は扶養枠内であっても1週間の労働時間が20時間であれば加入対象となります。
社会保険の場合、一般的な株式会社や有限会社で、正規社員の労働時間の4分の3以上の労働時間があり、2ヵ月以上の雇用が予定されることが加入の条件になります。
雇用保険と社会保険の違い、以前の管轄
雇用保険と社会保険の管轄は、現在は厚生労働省ですが、厚生省と労働省が統合されたのは2001年からになります。
以前は労働保険は労働省、社会保険は厚生省が管轄していたことから、管轄の違いがあったことで知られています。
雇用保険と社会保険の違いとメリット
雇用保険と社会保険には、それぞれのメリットにも違いがあります。
雇用保険のメリットとしては、再就職の際に支援が受けられるということです。失業してしまった際に、雇用保険に一定期間加入していることで、失業保険が支給される場合があります。
他にも、教育訓練給付などが受けられるなど、多くのメリットがあります。
社会保険のメリットとしては、病気やケガによる生活の保障を受けることが出来るということです。
高額医療費、傷病手当金、出産育児一時金、出産手当金、埋葬料の支給など、様々な場面で生活が保障されるということは非常に心強いですよね。
社会保険はアルバイトやパートの場合にも加入出来ることもあり、正社員ではなくても加入している場合万が一の時には保障の対象になります。
雇用保険と社会保険の違い、負担額
雇用保険と社会保険には負担額に違いがあります。
雇用保険の保険料率は、平成29年3月までは1.1%、労働者の負担はそのうち0.4%ですが、4月以降は保険料率が0.9%、労働者の負担は0.3%に変更になります。
それをもとに、被保険者の雇用保険料(控除額)=毎月の給与総額×雇用保険料率という計算方法で保険料を試算します。
一方社会保険料は、毎月の給与と健康保険料、厚生年金保険料をかけて合算した額になります。
このように、雇用保険と社会保険には負担額に違いがあります。毎月の給与の額などによってそれぞれ金額が異なるので、正しい計算方法を知っておくことをおすすめします。
まとめ
雇用保険と社会保険には様々な違いがありますが、保険料を負担している労働者にとってそうした内容は知っておくべき情報です。
長く働いていく見込みがある場合には、保険の有無については事前に確認すべき重要な問題です。求人情報に「社保完」「社会保険有」などと書かれていたら、採用される前に確認することが大事です。
それだけてはなく、雇用保険と社会保険の違いなど、具体的な内容に関する知識はきちんと理解しておくことをおすすめします。