ニュースで、住所不定といった言葉をよく耳にするはありませんか。頻繁に聞く言葉なので疑問に思わない人も多いですが、冷静に考えると住所がないなんてことはあり得るのでしょうか?
人は生活する以上、どこかしらに生活拠点があるのが普通です。勿論中にはそうでない例外的な人もいるかもしれませんが、報道されるようにそんな例外の人だけが頻繁にニュースになるのは考えにくいです。
住むところがない人でないのであれば、他の用法はどうなっているのか?今回は住所不定の意味合いや現状について解説していきます。今まで特に気にしなかったが、どんな人たちなのか気になる人はぜひ目を通してください。
言葉としての住所不定の意味
辞書などに載っている一般的な住所不定とは、住む場所が転々とかわって一定しないことです。特定の住所をもたない人を表す言葉とも言えます。
例えば転勤族であちこち飛び回っている人等がこれに当たります。ですが、このような人たちは住んでいる時期こそ短いとはいえ、きちんと登録され、在宅が証明された住所を持っています。
住所が定まっている以上、住所不定は違和感を感じます。続いて、報道の際の住所不定の意味を見ていきます。
テレビでの住所不定の意味合いとは?
明確な定義があるわけではありませんが、取り調べの際に住所を証明できるものを所持していなかった場合に住所不定とされます。これは職業も同様で、職業不詳や自称無職といった表現をされます。
自称とは読んで字のごとく本人が言った事をそのまま伝えている場合につけられます。その後の調査で確認が取れた場合には、必要に応じて自称の表現が外されるようです。
因みに住居があっても詳しい住所が確認できない場合、住所不詳と表記されます。
不詳よくわかっていないという意味で、定まっていない不定とは明確に区別されます。
住所不定と報道される人の特徴
主に以下の人たちは住所不定とされます。
長らく行方不明だった人
行方不明になって時間がたつと、役場で相談の後、住所抹消の手続きが行われます。そういった人たちが後々見つかると住所の登録が見つからないため、住所不定と表記されます。
住民票の届け出を怠っていた人
引越しをした際は、住所を変更するために転入届などを役所に届け出る必要があります。これを怠ると、登録にある住所と今の住所が全く違うという事になり、住所不定となります。
税金を払っていない人
長い間税金を未納でいると、役所は実態調査の後、行方がつかめないと住民票を抹消できる職権があります。そういった人が後々報道される際には、住所が存在していないため、住所不定となるのです。
この中でも特に住所変更の届け出は普通に生活していても忘れてしまう事があります。気付いたら住所不定になっていた、と言った事にならないよう届け出はきちんとしましょう。
住所不定とホームレスの違い
住所がない、と聞いてホームレスを思い浮かべる人も多いと思います。意味合いは似ていますが、両者には明確な違いがあるのです。
それは住所不定の人は現在の住所を示すものがなく、ホームレスの人は前の住所に登録が残っているかもしれない点です。
今現在放浪の生活をしていたとしても、生活していた家に家族がいる場合などは、住所不定とは扱われません。
ただし家族が登録を抹消していれば住所不定と同じになりますし、立場としてはほとんど変わらない部分があるので、同じ意味と思っても問題ないといえるでしょう。
住所不定へのイメージ
逮捕などの悪い報道でよく使われる言葉の為、住所不定というワードに対して良いイメージを持っていない人は一定数存在します。また、住んでいる家がない点でもマイナスイメージを持たれやすいといえます。
勿論、住所がないことは法律に反しません。中には自主的に各地を転々としている人も存在するので、住所がない=悪いと決めつけるのは早計と言えます。
ですが、現実として一般的な生活をしている人のほとんどは決まった住所があります。それがないというのは何かしら事情があるのではと不信感を持たれる事が多いのです。
そのためバイトなどに応募しても、住所不定の人は非常に雇われにくいです。もし住所がないために仕事探しで苦労してる人であれば、どこかしらに生活拠点を置くことが仕事探しの第一歩と言えるでしょう。
まとめ
住所不定とは、定まった住所がなく転々とする事をあらわします。報道の際は、取り調べの段階で住所を証明するものを持っていない場合この表現を使われるようです。
住所不定となる条件としては、長年行方不明だったり税金を滞納していたりで登録が抹消されていたり、引っ越し後の届け出を忘れていたりといった場合が考えられます。
住所不定が悪いことではありませんが、世間からはどうしてもマイナスのイメージを持たれてしまいます。住所がないままではバイトすら満足に見つけられないでしょう。
普通に生活していれば住所不定になる事はまずありませんが、万が一の時に登録と今の住所が違っていたりすると、住所不定扱われるかもしれません。いざという時に困らないよう、一度自分の住所を確認してみましょう。