赤潮はなぜ臭いの?どうしてあの臭い匂いは発生するのでしょうか?
ズバリ!赤潮のあのいや〜な匂いの原因は生活排水などが関係しています。
もし赤潮が臭ってくる地域にお住みなら、この匂いに辟易とされてらっしゃるのではないでしょうか?
今回の記事では『赤潮とは一体どんなものなのか、生物に与える悪影響、臭いの原因、そして予防や対策』などについて解説します。
臭い赤潮とは
それではまず赤潮とは何かご説明いたしましょう。
「赤潮」の読み方
赤潮って初めて聞いた人は、そもそも何と読むのか分からない人もいるのではないでしょうか。赤潮は「シャクチョウ」と音読みをするのではなく、訓読みで「あかしお」と読みます。
赤潮とはどういう現象?
赤潮とは海の中でプランクトンが急激に大繁殖して水の色が変わって見える現象です。 原因になるプランクトンの種類によって赤くなったり、茶色くなります。
日本だけではなく世界各地で問題になっている現象です。赤潮を起こす代表的なプランクトンは以下の通りです。
- シャットネラ マリナ(Chattonella marina)
- カレニア ミキモトイ(Karenia mikimotoi)
- スケレトネアの一種 (Sheletonema sp.)
赤潮が発生する原因
赤潮は海中のプランクトンというとても小さい生物が異常に繁殖することで起こります。
大きな原因として挙げられるのが、台所やトイレなどの日常生活から出ている排水や工場からの排水です。この排水には多くの栄養成分が含まれていて、この水が海水に流れることで栄養分が増えて微生物が異常に増えることになります。
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赤潮の見た目ってどんなもの?
見た目に鮮明な赤色のものもありますが、ほとんどの場合はオリーブ色になります。
原因となる微生物の中には夜光虫と呼ばれる生物もいて、物理的な刺激を与えることで発光します。そのため、見つけると石などを投げてみると発光する場合もあります。
赤潮が発生するとどうなる?
赤潮の発生はプランクトンが保つ毒素による魚の大量死だけではなく、栄養を使い尽くすとプランクトン自体も大量死してしまい、その死骸が理由で酸素不足を起こし大きな漁業被害を起こします。
臭い赤潮は多くの生物にも悪影響を与えることも
前述しましたように赤潮が起こると海中の空気が減ることになり、多くの魚が死んでしまうことがあります。
これは魚だけでなく、あさりなどの貝(カイ)にも影響を与え、磯場で発生すればアワビやサザエなども死んでしまいます。
赤潮の発生は豊潤だった海のバランスが損なわれた状態で魚だけではなく全ての生き物が死滅してしまうこともあります。
なぜ赤潮が臭いのかご存知ですか?
海の近くで生活していても今まで見たことがない、そんな情報を聞いたことがない人は、近くでは起こらないのではと思っている人もいるでしょう。
しかし過去には千葉県の港で起こったこともあります。この時には多くの人から「臭い」と多くの苦情の問い合わせがあったとされ、千葉に限らず、東京などの地域でも起こりました。
発生するとなぜ臭いのでしょうか?それは赤潮が起こると、海中の空気が減ることになり多くの生物が死んでしまい、その生物の死骸の腐敗によって生臭い臭いが発生するからです。
赤潮の臭いは起こった場所から数キロ先まで臭うこともあります。
臭い赤潮が起こる理由
それではなぜこの赤潮が発生してしまうのか?いくつかの理由を考えて見ましょう。
地球温暖化
赤潮が起こる原因として、地球規模で問題となっている温暖化も強く影響を受けていると言われています。
海水温が上昇することで植物性の微生物が増殖して、それを食べる動物性の微生物も増えることになります。
このような理由でで暖かい季節には微生物が異常に増えることになり、赤潮を起こしやすいと言われています。
人間が出す排水
私たちは生活や産業、農業活動を行うために毎年多くの水を使用します。そしてそれらを排水として流しています。
排水は河川や下水道を通じて海に流れ込んでいるのです。排水に含まれる有機物や窒素、リンなどの栄養塩や有害汚染物質はとても深刻な事態になっています。
窒素やりん(栄養塩類)は植物プランクトンや海藻草に吸収されそれらの生育を助けますが、この栄養塩類が多くなりすぎるとある特定の植物プランクトンを爆発的に増殖させてしまいます。
ある特定の植物プランクトンが爆発的に増加すると、それを餌にする動物プランクトンの増加が追いつかなくなってしまい、ここで食物連鎖が崩れてしまい海に赤潮が発生してしまうのです。
ヘドロ
このような排水は下水処理場である程度は除去されますが完全とはいえず、大量に流失した有機物が理由で赤潮プランクトンにより生成された有機物は海底に沈殿しヘドロ状態になってしまいます。
ヘドロが発生すると酸素が少なくなり海の生物たちの死を招きます。そしてそれがまた赤潮の発生に拍車をかけてしまいます。
事故汚染
また海洋汚染の深刻な問題の1つにタンカー事故などの油流出による汚染があります。一度油流出の事故が起こると大量の油が海域に流れ出し深刻な環境汚染を引き起こします。
汚染物質乱用
船底や漁網に防汚材として使われていた有機スズ、寄生虫駆除に使用されるホルマリンは汚染物質として生物に悪影響を及ぼします。
このような汚染物質は一度海域に流出してしまうと回収や人工的な浄化は困難なので流出を防止することが最善の策になっています。
このように人間の生活が豊かになったことの代償に有機物が家庭や工場から沢山排出されることが赤潮の原因となっているのです。
赤潮の予防対策とは?
臭いによって生活にも悪影響を与えてしまう赤潮ですが、何か予防する方法はないのでしょうか。
工業排水は企業の努力が必要ですし、海水温を下げることはできませんが、一人ひとりが環境への問題意識を持つことで軽減につながるでしょう。以下は考えられる個人レベルの対策方法です。
食べ残しなどを極力減らす
日常生活から出る排水も原因の一つであることから、食べ残しなどを流さない工夫は大切です。
合成洗剤の追放運動
安全でより環境に良い洗剤を使うことによって排水からりんや窒素を減らすことができます。
公共交通機関を使う
温暖化では二酸化炭素が問題なので、車ではなく公共交通機関をできるだけ利用する、電気を使い過ぎないなどの工夫が必要です。
子供への教育題材にして子供の意識を高める
一人ひとりが環境への意識を高めることで予防になりますが、なによりも次世代を担う子供達への家庭レベルでの教育によって意識レベルを高めていくことも今私たちができる予防対策の1つなのではないでしょうか?
今できる赤潮の臭い対策とは?
赤潮の原因も長期の予防対策ができても、今現在赤潮の臭い匂いがお悩みの方へ、今できる赤潮の匂い対策をリストしておきます。お役立て下さい。
消臭スプレー
除菌タイプも併用して場所を選ばずスプレーできるタイプがおすすめです。また小さいお子様やペットのいるご家庭では非塩化系のものをおすすめします。
一度で臭いがなくならなくても何度か使っているうちに臭いが薄くなっていきます。
空気清浄機
ほんの15分程度でお部屋の空気を洗ってくれます。赤潮の臭い匂いだけではなくPM2.5や花粉にも対応しているので一石三鳥かもしれません。
消臭マスク
毎日の通勤・通学には活性炭入りの消臭マスクがお手軽です。家族人数分をまとめて玄関においておけば外に出て赤潮の臭いを嗅ぐ前に予防できます。
まとめ
赤潮は人間が発生させる生活用水、工業用水、汚染物質などが理由で発生しています。
赤潮のことを理解して個人レベルでの長期の予防対策、そして次世代の子供への教育題材として環境保全の意識を高めていきたいものです。
今できる対策と長期で取り組める予防を理解して赤潮の問題解決に取り組んでいきましょう。