ある日突然会社から資格取得をお願いされる事もある衛生管理者資格。
突然言われても勉強方法に悩むでしょうし、そもそも衛生管理者とはどういう資格かよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
衛生管理者は会社の規模に応じて一定数必ず必要になる資格です。ですから会社から取得をお願いされた以上、自身だけでなく会社の発展にも関わってくる資格なので必ず合格しなければなりません。
そこで今回は、衛生管理者資格がどういった資格なのか解説するとともに、効果的な勉強方法を紹介していきます。
これから試験を控えた方は、目を通しておくことで今後効率的に試験勉強を行う事が出来るでしょう。
衛生管理者資格の勉強方法を学ぶ上で知っておきたい事
衛生管理者とは一言でいえば「職場の衛生状態を管理する立場」で、この立場に立つために必要なのが衛生管理者の資格という訳です。
資格の種類
衛生管理者の資格は二種類あります。第一種衛生管理者は医療や電気業、工事現場に清掃業等全ての業種に対応しており、対して第二種衛生管理者は衛生管理と比較的関連の薄い金融や保険業等に対応しています。
第一種衛生管理者は第二種衛生管理者の内容も包括されているので、第一種を取得すれば第二種の資格も持っているのと同等の扱いを受けることができます。自身の業種によって受験する資格を決めましょう。
試験内容
続いて肝心の試験内容ですが、大きく分けて以下の三科目となります。
- 関係法令→労働基準法、労働安全衛生法、作業環境測定法およびじん肺法ならびにこれらに基づく命令中の関係条項に関する知識
- 労働衛生→衛生管理体制、作業環境要素、職業性疾病、作業環境管理、作業管理、健康管理、健康の保持増進対策、労働衛生教育、労働衛生管理統計、救急処置などに関する知識
- 労働生理→人体組織および機能、環境条件による人体の機能の変化、労働による人体の機能の変化、疲労およびその予防、職業適性などに関する知識
問題数と合格ライン
問題数も以下のように決められています。
- 関係法令、労働衛生→有害業務に関わるもの10問、その他7問
- 労働生理→10問
全44問中第一種は44問全て、第二種は有害業務に関わるものを除いた30問を回答します。そして各項目で最低40%以上、全体で60%以上得点すると合格です。
また、問題は全てマークシート方式の5択です。計算はあまり出ませんので暗記力がものをいう試験と言えるでしょう。
ここまでが衛生管理者試験の前提条件です。では次の見出しで実際に衛生管理者を勉強する際の効率的な勉強方法をご紹介します。
衛生管理者の効率的な勉強方法は?過去問を有効に使う
過去問や参考書等、勉強方法にもいろいろあります。今回おススメする勉強方法は過去問→参考書→問題集の順に手掛けていく方法です。
まず過去問を使い問題の出題傾向等を大まかに把握します。
最初は参考書で知識をつけようとする方が多いかもしれませんが、先に問題内容を把握しておくことで覚えるべきキーワードや数値が見えてくるのです。
ある程度出題傾向を把握したところで参考書を使います。参考書の内容を全て覚えるのは大変ですが、事前に過去問をこなしているおかげで優先的に覚えるべき個所が見えてくるはずです。そこから覚えていきましょう。
内容としては「有害業務に係る以外のもの」は比較的覚えやすいです。逆に「有害業務に係るもの」は専門的な用語が多く時間がかかるので後から手をつけたほうが良いでしょう。
そしてある程度知識を付けたところで問題集の出番です。後半は問題を解く→分からなければ参考書を見て確認をひたすら繰り返すことになりますので、ひたすら反復練習を繰り返しましょう。
これを時間の限りこなしていくことが合格の近道になります。暗記の多い試験の対策は繰り返し反復練習するしかないので、より効率的に学習できるよう以下の手順で勉強することをおススメします。
衛生管理者を勉強する上でのコツ
ここでは基本的な勉強法の他に、衛生管理者を勉強する上でのコツをご紹介します。ポイントを押さえるだけで覚えやすくなる部分もあるので、参考にしてください。
勉強時間は一日使うよりも毎日少しずつ
人の記憶は一日後には半分以上忘れているといわれています。暗記科目は反復がキモなので、一日かけて勉強したとしても次の日サボってしまうとほとんど忘れてしまうのです。
ですから衛生管理者のような暗記メインの試験の場合、一日の時間を少なくしてでも毎日反復で覚えたほうが効果的です。一日2~3時間程度で十分なので必ず毎日勉強する癖をつけましょう。
似たような問題を記憶する
問題集を解いていると似たような問題に遭遇することがあります。似たような出題があるという事はそれだけ使い回された内容だという事なので、優先的に覚えるようにしましょう。
覚えづらい単語は逆に印象付ける
専門用語など覚えづらい単語が出てくることがありますが、逆に言えば他の場面では出てこない単語とも言えます。ですから逆にその場面でしか出ない単語だと印象付ける事で選択肢を絞る事が出来ます。
逆にやってはいけない衛生管理者の勉強方法とは?
逆に時間の無駄、勘違いのもとになる勉強の仕方も紹介しておきます。全員が全員とはいませんが、なるべく控えたほうがいいでしょう。
参考書をいくつも使わない
参考書が変わると解説している言葉遣いや説明文が変わるので、既存の情報と混ざりかえって覚えにくくなってしまいます。あれこれ手をつけて中途半端になる位なら1つの参考書を極めたほうが効果的です。
苦手分野を作らない
衛生管理者の試験は別れている区分のどれか一つでも基準点を下回ると合格できません。苦手な個所を他でカバーすることができないので、どれもそつなくこなせるよう満遍なく学習するようにしてください。
衛生管理者試験まで時間がない!そんな時の勉強方法!
試験まで間がないと焦る気持ちも出てきます。時間がない時は時間がないなりの勉強方法を試してみましょう。
スマホを使い隙間時間で勉強する
過去問を解けるサイトも存在します。スマホならどこでも使えますし、自宅でまとまった時間が取れないという方は通勤時間や休憩時間など少しの隙間時間を対策に充てるとよいです。
最近の過去問を中心に勉強する
勉強内容に優先順位をつけるなら、最近の過去問を集中して勉強しましょう。出題傾向はある程度偏るので、昔の試験内容よりは最近の試験の方がより近い問題がでる可能性が高いのです。
どうしても間に合わないようなら・・・
どうやっても試験当日までに勉強が間に合わない方のための最後の手段があります。それは「次の機会に受験する」です。
というのも衛生管理者は他の国家試験と違い、地域にもよりますが月に2~3回と数多くの試験を行っています。一回飛ばしても次の試験がすぐ受けられるので、間に合わない人は次の試験までに頑張るとよいでしょう。
まとめ
衛生管理者試験の勉強は過去問→参考書→問題集の順に手をつけることで効率的に学習できます。勉強する際は参考書を一冊に絞って毎日反復練習をこなしましょう。
暗記中心の資格なので時間さえかければ誰でも合格できる可能性があります。毎日少しずつ勉強を続けることで知識は確実にあなたの中に蓄積されていきますので焦らず勉強を続けてください。
試験日もたくさんあるので準備が整ってから余裕をもって受験することもできます。毎日きちんと反復学習していればおのずとよい結果になる事でしょう。