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世襲制ってなに?意味やメリットを解説

Japanese man

世襲制という言葉、聞いたことはあっても意味までは詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。日常生活ではあまり聞かない言葉かもしれませんが、政治の分野では度々耳にすることとなります。

漢字からだけではどんな内容なのかイメージするのは難しいでしょう。話に出てきたときに恥ずかしい思いをしないためにも、最低限正しい知識を身につけておく必要があります。

そこで今回は、世襲制の意味やメリット、現在の体制について解説していきます。今までよくわかっていなかった人はぜひ一度目を通してください。単語1つ理解するだけでも話の内容が驚くほどわかるようになるはずです。



世襲制ってどんな意味?

世襲制とは、現在の地位や職業などを、親から子へ受け継いでいくことです。自分が築いた財産や立場を代々の子孫に受け継ぐ事で、家の立場を継承していくという意味合いがあります。

これには法的な根拠の有無は関係なく、仕事の役職や立場といった事実上の継承に対しても使われます。親から子に受け継がれるもの全般に使われる用語、と思っておいて間違いありません。

この世襲制度、他の精度に比べて優れている面もあれば劣っている点もあります。次の見出しから詳しく見ていきましょう。

世襲制のメリット

世襲制度には、以下のメリットがあります。

継承先が決まっている

世襲制では役職や地位を受け継ぐ人があらかじめ決まっています。そのため継承者争いのような事はおきませんし、受け継ぐ側の人間もあらかじめ覚悟をもって継承に臨む事ができます。

例えば個人経営の会社であれば、社長は誰に地位を引き継ぐか決めているため、その人物に力を注ぐことができます。引き継がれる子供も後々継承することがわかっていればあらかじめそのための勉強ができます。

つまりお互いに先の展望が予測できるので、それに備えた人生設計が可能になるという訳です。先行きが分からない人生でこれが可能な点は大きく、子供が大成しやすいという大きなメリットとなります。

方向性がぶれにくい

継承者が決まっているという事は、今後の方針もある程度こちらで指示できるという事です。これにより一般的な企業にありがちな、急な人員の交代による方向性のブレをなくすことができます。

上記の例であれば、社長は事前に自社の方向性を継承する子供に伝える事ができ、子供も今の会社が目指すものは何なのか事前に把握することができます。

世襲制では子供のころからこれらの教育を施すことが可能になるので、結果として会社が安定しやすいという大きなメリットになります。



世襲制のデメリット

これだけ聞くと画期的な施策に感じるかもしれませんが、当然良い面だけではなく悪い点もいくつか存在します。

継承者を選べない

前述の通り継承者が決まっているのが世襲制のメリットですが、これは継承される側が適した人材であった場合の話です。もしも子供の能力が不足している場合には一転してデメリットとなります。

いくら立場に合わせた教育が可能とはいえ、教育の成果が発揮されるかどうかは補償されません。もし力不足な人が会社を引き継いでしまったら、その会社の存続にかかわる事態にもなりかねません。

新しい風を通しにくい

方向性のブレをなくすという事は、多様性をなくすことでもあります。今はそれで通用しても、万が一今のやり方が通用しなくなった時に立て直すのが難しくなるという事です。

一族経営の会社などでは特に1つの考え方に凝り固まってしまい、新しい時代に適応できず潰れてしまう会社も珍しくありません。新たな風を引き込むのが難しいのが世襲制の大きなデメリットと言えます。



世襲制が多い職業

では現在、世襲制を採用している職業とはどのようなものなのでしょうか。実子に限らず師匠から弟子への継承も含んでいるので、将来仕事を選ぶ時の参考にしてみてはいかがでしょうか。

舞台業

歌舞伎や能、狂言と言った舞台でのお仕事は伝統的な技術や振付などを継承する関係で世襲制になっている所が多いです。限られた人間に徹底的に受け継ぐ事により、その素晴らしい芸を継承していくのです。

同族経営会社

一族経営のような会社では社長は子供に社長職を継ぎ、自分は会長となって陰からサポートするのが一般的です。会社が傾かない限り、その一族の地位は約束されたも同然と言えるでしょう。

職人業

職人の技は公にせず、限られた弟子に伝えられていくのが常です。子供に自分の全てを託すことにより、何世代にもわたって高い技術を維持していくのです。

これらの職業は世襲制のデメリットよりもメリットが強くなることから、現在でも世襲制度が採用されている場合が多いのです。



日本と世界の世襲制

日本では上に挙げた職業の他、天皇制も法律によって継承が決められたものであり世襲制の一部と言えます。また、政治家の息子が政治家になったという話も、人脈などを受け継いだ一種の世襲と言えるでしょう。

世界においても、世襲は主に君主国において採用されている方式です。ただしクロムウェル共和国の護国卿の事例のような、非君主国でも世襲制が導入される例もない訳ではありません。

他の選挙制や指名制に比べ、どちらが優れているといった話ではありませんが、実力主義でなく血統を重視する世襲制は、国の代表を選ぶ際の方法としては減ってきているのが現状のようです。



まとめ

世襲制とは、地位や職業を子供に継承する事です。役職は勿論、つながりや技術なども余すことなく継承することで、一族の繁栄をより長くすることが可能になります。

世襲制は継承者が決まっているので、その者に教育や引継ぎを集中できるメリットがある一方、その者が能力不足の場合は代わりを用意することができないデメリットも抱えています。

日本では職人業や舞台業が世襲制を採用している他、天皇制も世襲の一種です。
海外でも君主国の多くは世襲制を採用していますが、国の代表を選ぶ際には選挙制を導入している国も増えてきています。

世襲は縁のない人にはとことん縁のないお話ですが、内容を知っていれば話に出た時にも見当違いな話をせずに済みます。今回紹介した内容を頭に入れておき、世襲制度を正しく理解しましょう。