洋風スープの素といえばブイヨンやコンソメといったものを思い浮かべる人は多いでしょう。ですが、両者の違いを明確に説明してほしいといわれたら答えられるでしょうか。
正直な所、普段の料理ではあまりこだわらずに使っている人も多いのではないでしょうか。実際市販の素を使う場合、どちらを使ってもそんなに変わらない事も多いので、あまり気にしなくても大丈夫なのです。
とはいえやはり両者には明確な違いがあるため、同じものとして扱っていると思わぬところで恥をかくことになるかもしれません。違いはしっかり知っておいた方がいいです。
そこで今回は、ブイヨンとコンソメの違いについて解説していきます。普段なんとなくで両者を使っている人は、より良い料理にするためにもぜひ目を通してください。
ブイヨンとコンソメの違い
ブイヨンとは、言ってみればだし汁の事で、魚や肉、野菜や香辛料などを長時間煮込んで作っただし汁の事を言います。スープストックと呼ばれることもあり、その名の通りスープの素となるものです。
対してコンソメとは、そのブイヨンをベースにさらに肉や野菜、調味料を加えて漉したスープの事を言います。つまりブイヨンはあくまでスープの素であり、コンソメは完成したスープそのものと言えるのです。
ではこれらを使い分けるにはどんな方法があるのでしょうか。まずは、ブイヨンの使い方から見ていきましょう。
ブイヨンを使う料理とは
前述の通りブイヨンは味付けのベースとなるスープであり、料理に加える事でコクを出すことができます。その特性から用途は主に煮込み料理に使われることが多いです。
例えばカレーを煮込む際に入れてコクを出したり、ポトフ等の味付けにも利用できます。また、漉してないため濁りがあり、透明感を出す料理には不向きです。
そのため用途としては長時間煮込む煮込み料理や透明感のいらないポタージュやミートソースなどのべース、御飯やパエリアを炊く際の隠し味などに使うのが効果的です。
コンソメを使う料理とは
コンソメはすでに完成されたスープと言えるので、単純に水に溶かすだけでも十分な旨味を引き立たせます。また、漉してあるため透明感が出るので、見た目を重要視するスープにも使えます。
単純にコンソメスープとして飲んでもいいですし、パスタのソースや炒め物に調味料代わりに使えば旨味が増します。ブイヨンと同様仕上げに使ってもいいですがより主張が強いので味が喧嘩しないよう気を付けてください。
他にも肉料理の下味に使う事でコクを出すことができます。使い過ぎない程度にとどめておけばなんにでも使える万能調味料と言えるでしょう。
ブイヨンとコンソメを混同してしまう訳
ここまで紹介した内容で、ブイヨンとコンソメは大きく異なるものだと分かっていただけたと思います。しかし現実には、どちらを使ってもあまり変わらない場合も多いのが現実です。
その理由は、市販で売られているブイヨンやコンソメには等しく塩分が加えられているためです。分かりやすく旨味を引き出すための措置と言えますが、これではブイヨンがスープベース以上の主張をしてしまいます。
実際、本来のブイヨンを飲んでもあまりおいしくは感じませんが、市販のブイヨンをお湯に溶かすとそれだけでスープみたいに飲む事ができます。ですからコンソメとブイヨンを互いに代用出来てしまうのです。
あくまでブイヨンは出汁であり、そのものを楽しむものではないという事は覚えておきましょう。では本来のブイヨンを楽しみたい人のために、市販の素に頼らないブイヨンとコンソメの作り方を紹介します。
一から作るブイヨンとは!
まず、ブイヨンのレシピは以下の通りです。分量や内容はお好みで多少変えても問題ありません。
- 牛骨
- 牛スジ肉
- 牛スネ肉
- にんじん
- 玉葱
- セロリ
- パセリ
等
- 牛骨と牛スジ、牛スネを下茹でする。
- 鍋に水を入れて、①を入れ強火で煮込む。アクが出たら都度取る。
- ざくぎりにした野菜郡を入れて3時間程弱火で煮込む。アクは都度取る。
- 最後に布で漉して完成
完成したブイヨンは冷蔵庫で3日程、冷凍で一週間程度持ちます。市販のブイヨンにはない優しい味わいのスープストックになっているはずなので、ぜひいろんな料理に使ってみましょう。
まとめ
ブイヨンとは肉や野菜を長時間煮込んだスープの素であり、それにさらに調味料を加えて煮込んだスープの完成形がコンソメです。ただし市販のものは塩分が加えられているのでどちらも似たようなものになっています。
ブイヨンは煮込み料理にコクを出したり、御飯の炊き込みに使われています。対してコンソメは、単体でスープとして利用するほか、味の決め手として使われることが多いです。
ブイヨンを一から作る場合、材料は多少アバウトでも問題ありません。弱火で煮込む事とアク取りを忘れなければ、市販の物とは違うマイルドな味わいのスープベースができるはずです。
市販のものを使えば簡単に下味を整えられますが、ブイヨンに関しては市販のものでは少し刺激が強すぎるかもしれません。今回紹介したレシピを参考に、余裕があればぜひ自身で作ってみましょう。