火事になった人に送る火事見舞い、実は書くときの言葉に違いがあるのはご存知ですか?一言に火事見舞いと言っても、相手の立場次第でいくつかの種類があるのです。
火事になった当事者は大変な状態ですので、そんな時に間違った火事見舞いや贈り物をしては相手をがっかりさせてしまいます。では適切な火事見舞いはどんな言葉選びをすればよいのでしょうか。
今回は、相手の立場別の火事見舞いや封筒の書き方に加え、見舞いと一緒に贈ると良いものを紹介していきます。めったにある事ではありませんが、その時になって適切な対応が出来るよう目を通してください。
火事の際の見舞い封筒の言葉の違い
火事見舞いと言えば、封筒の表に火事見舞いと書いてあるものを連想される人も多いはずです。この火事見舞いにはいくつか種類があり、相手の立場に応じて以下のような使い分けをされるのです。
御見舞い
相手の立場がどんな場合でも使用可能な言葉です。特別交流のない人相手に送るときや火事の詳細が分からない場合などで、使う言葉に悩んだときは、とりあえずこちらを選んでおけば間違いないでしょう。
火災御見舞い、出火御見舞い
相手が今回の火事の火元である場合には、こちらの言葉を使います。巻き込まれた側に使ってしまうと非常に失礼に当たりますので気を付けてください。
近火御見舞い
近くで火事があったが、特に被害の無かった場合に使います。直接被害がないとはいえ、怖い思いをした相手をいたわる意味での見舞いと言えます。
類焼御見舞い
近くで火事があり、巻き込まれて被害が出てしまった人に使います。被害の程度にもよりますが、実際に被害が出ているので言葉は慎重に選びましょう。
火事見舞いを書く時には、これらの言葉を使い分けます。間違えると失礼に当たる場合もあるので気を付けてください。
火事の見舞い封筒の言葉は何で書く?
続いて、見舞いの封筒の書き方を紹介します。基本的には普通の封筒と同じですが、のし袋や水引が不要な事と、以下の点に気を付けてください。
使うのは薄い墨汁、または筆ペン
昔からの習わしがあり、可能であれば薄めた墨汁を使い文字を書きます。しかし墨汁がない家も増えてきているので、その場合は筆ペンを利用しても大丈夫です。
封筒に書く言葉
表書き上部に前述の御見舞い名を書き、下部には自分の名前を書きます。裏面には封入した金額を書きましょう。
次は、封筒を書き終えて相手に渡す時の言葉遣いについて見ていきましょう。
火事の見舞いでかける言葉は?
特に、当事者になってしまった相手になんと言うかは重要です。今回は文例とともに紹介するので、実際に声掛けをする際の参考にしてください。
気遣いの言葉
火事のような大事の当事者は、大変な目にあって心身ともに弱り切ってしまっています。例え火元のになってしまった人に対しても、相手を気遣う言葉をかけるのを忘れないようにしてください。
セリフとしては、「大変でしたね」「気苦労お察しします」などの簡単な言葉でかまいません。下手な慰めはかえって相手を苦しめてしまうので気を付けましょう。
相手が求めていそうな提案
火事になってしまったら何かと不足してしまっているはずですが、当事者であれば遠慮してなかなか助けてくれとは言えません。ですから逆にこちらから提案をしてしまいましょう。
「困ったことがあったら言ってください」「○○は大丈夫ですか?」など相手が必要だと思っていそうなことをこちらから聞いてみるとよいです。向こうからは言いづらい事ですので、きっと感謝されるでしょう。
一言二言これらの言葉を伝えるだけでも、相手側にとっては救われる部分は多いはずです。とはいえ、言葉だけでは慰めにしかならないので、次は、言葉と一緒に渡すと喜ばれるものについて紹介します。
言葉で終わらせない、火事見舞いに贈ると喜ばれるもの
火事になった人は実際に物資が不足している場合がほとんどです。ですから渡すものとしては以下のものが喜ばれるでしょう。
お金
とにかく先立つものとしてはお金が必要になります。火事見舞いの相場は相手との距離感によって異なり、
- 親→1~3万円
- 親戚→5千円~1万円
- 知人→3~5千円
程度が相場と言われています。とはいえあって困るものでもないので、特別親しい人であれば余分に入れても何ら問題はないでしょう。
日用品
火事で多くの物資がなくなってしまった人にとって、日用品はとても助かります。ただし設備も万全ではないので、インスタント食品のような日持ちするものや、使いやすいものを優先しましょう。
当事者を責める、慰める
火事を起こしてしまった人も十分すぎるほどショックを受けているはずです。あなたはあくまでも部外者なので、必要以上に当事者を責めるのは筋違いであると認識しましょう。
また、過度に慰めの言葉をかけるのも相手にとっては苦痛となります。当事者への言葉はいたわりの言葉がひとつあれば十分なので、不必要に言葉を重ねないよう気を付けてください。
詳細を聞く
何が起きたのか知りたい気持ちはわかりますが、詳細を話すということは相手に火事を思い出させるという事です。場合によってはかなりの苦痛をもたらすこともあるので、好奇心は抑えてください。
まとめ
火事見舞いの書き方は、相手の置かれた立場次第で見舞いの名前が変わります。これを間違えると失礼に当たる場合もあるので、十分確認をしてください。分からなければ御見舞いを使っておけば大丈夫です。
火事見舞いを渡す時に言葉をかける場合は、軽いいたわりの言葉や相手が困ってそうな事を聞く程度で十分です。部外者が不必要にあれこれ言うのは好ましくありませんので、好奇心を抑えて冷静に努めてください。
火事自体滅多にある事ではないので、どうしても書き方や言葉遣いの作法があやふやになりがちです。しかし、当事者は火事の事で手一杯なので、余計な心労を増やさないためにも、適切な言葉遣いを心掛けてください。